今よりももっと早く走りたい、ずっと遠くに走りたい。ほとんどのランナーがそう思っていますよね。
毎日速く、長い練習ばかりできたなら、もしかしたらすぐに速くなることができるかもしれません。
でも実際は足の疲労が取れず練習の効率が落ち、最悪ケガで長い間走れることさえできなくなってしまいます。
『ちゃんと休んでる?練習効率アップの戦略的休息』でも書いた通り、負荷の高い練習の後には休息が必要不可欠。 では、どのような1週間のメニューを立てればいいのでしょうか。
練習を組み立てる4ピース(要素)
- ポイント練習(高強度)
インターバル走・ペース走・坂道ダッシュなど。
心拍をしっかり上げて刺激を入れるメニューです。
練習効果は大きい一方で、筋肉へのダメージや疲労も溜まりやすいのが特徴。 - ジョグ(低強度)
呼吸に余裕があるペースでのラン。
疲労回復や基礎づくりの役割を持ち、「トレーニングの王様」と呼ばれるほど重要。
体への負担が少なく、走力アップの土台になります。 - 休息・アクティブレスト
完全休養日、またはウォーキングやストレッチなど軽い体ほぐし。
疲労をしっかり抜き、翌日に残さないことが鉄則です。
ケガ予防やトレーニング効率アップのために不可欠な要素。 - テンポ走(中強度)
「出し切らないけど少しきつい」程度の練習。
テンポ走のほか、ビルドアップ走、LT走、ロング走などもここに含まれます。
低強度から高強度へつなぐ“橋渡し役”として効果的です。

ピースを組み立てる際のポイント
- ポイント練習
週2回以内がベスト。連続で行うとケガのリスクが高まり、練習効率も下がる。
1週間の中で離れた場所に配置する。 - テンポ走(中強度)
ポイント練習を水曜と日曜に置いた場合、その間に「2日」と「3日」の空きができる。
「3日」の真ん中にテンポ走やビルドアップ走を入れると、練習にメリハリが出る。 - 休息・アクティブレスト
ポイント練習の後は休息や軽い運動で疲れを取る。
体を休ませることで、次のポイント練習に万全な状態で臨める。 - ジョグ(低強度)
残りの日はジョグで埋める。
ランナーのトレーニングの大部分はジョグで構成されることが多く、基礎づくりや疲労回復にも重要。
一週間のメニュー例
では、実際にメニューを組んでみましょう。
- 月曜日:休養日(完全休養)
前日の疲れを抜き、体をリフレッシュ。 - 火曜日:ジョグ(弱)
ゆっくりとしたペースで疲労回復+基礎作り。 - 水曜日:ポイント練習(強)
インターバル走やペース走でスピード・持久力を刺激。 - 木曜日:ジョグ(弱)
呼吸に余裕のあるペースで、前日の負荷を和らげる。 - 金曜日:テンポ走やビルドアップ走(中)
ポイント練習からの疲れが残っているなら無理せず、出しきらない練習で体にメリハリをつける。 - 土曜日:ジョグ(弱)
リカバリー目的。距離は短めでもOK。 - 日曜日:ロング走 or レースペース走(強)
長い距離を走り、持久力やレース感覚を養う。
こんな感じに仕上がります。
慣れてきたら実際のメニューや、その日の疲労感で負荷を調整してみましょう。

まとめ
練習メニューを組み立てるときは「強・中・弱・休養」のピースをどう配置するかがカギです。
特に強度の高いポイント練習の前には、しっかり疲労を回復させておくことが大切。そうすることで練習の効果を最大限に引き出せます。
また、ただ休むだけでなく、回復させながら走れるジョグを上手く取り入れることで、基礎づくりとリカバリーを同時に進めることができます。
今回の一週間メニューは、初心者にも中級者にもおすすめできる基本形。
まずはこの流れをベースにして、自分の体調や大会スケジュールに合わせて強度を微調整していけば、無理なくステップアップしていけます。


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